こんにちは。
前回は、「こどもの習い事はピアノだけでいいの!?」というタイトルでコラムを書かせてもらいました。
「HQを伸ばすのにダントツで効果を発揮するのが、ピアノのレッスン」であるということでしたが、
今回は「ピアノを習うとなぜHQが向上するのか?」について書いていこうと思います。
ピアノを習うとなぜHQが向上するのか?
理由として、ピアノを弾く時は
②脳がその情報を理解して身体各部に指令を出す
③指をコントロールしてピアノを弾く
④イメージどおりの音になっているか耳で確かめつつ、目は次の音符を追いかける
この4つの動作の流れを瞬間的に連続して行っています。
さらに
② 楽譜を一時的にも記憶化しながら演奏する
③ 次に弾く楽譜を先読みする
※特に①が重要で、左右で違うメロディを演奏するのは「マルチタスク(多重課題)」と言って非常に高度な行為なのだそうです。
そして、ピアノを弾くことは
「過去(確認)」
「現在(実行)」
「未来(予習)」
この3つの時間軸における行為を同時進行させています。
② 楽譜の情報を脳で理解して体に指令を送りピアノを弾く→現在(実行)
③ 今弾いている音符を一時的に記憶しながら、楽譜の先にある情報を読む→未来(予習)
体は常に拍を刻み続け、視線は「楽譜の演奏中の部分」(現在)→「その先の部分」(未来)→「鍵盤」(現在&未来)の3ヶ所を行ったり来たりしています。
そう考えると、ピアノを弾くというのはかなり複雑な作業ですね。
因みに、ピアノでHQを高めるには、幼児期(5~8歳頃)に始めるのが最も効果的であり、脳の構造も発達することが実証されているそうです。
両手の指を細かく動かし、少し前の音を保ちながら、その先の音を先読みし、その記憶を適切に出力(演奏)する訓練は、HQの基礎能力をかなり使うことになり、状況に応じて演奏を変化させることで、独創性や創造性の発達にも有効と説明していました。
私たちが普段ピアノを弾いているときは、このような事をほとんど意識していませんが、脳には相当良い刺激になっているようです。
また、前頭前野だけでなくピアノの練習を続けることで、右脳と左脳をつなぐ脳梁も太くなり、記憶力をつかさどる海馬も発達することが確認されているそうです。
さらに澤口氏の研究によると、
「HQが高い人は、学力が高くて社会的、しかも画一的な優等生でなく<個性的で独創的>」
なんだそうです。
「HQが高ければ、自ずとIQも高くなる」
・・など、著書にも色々なことが書いてありましたが、疑い深い私は、つい・・ホントかなぁ・・と思ってしまいました。(笑)
なんだかピアノを弾くっていいことばかりなんですね。・・知りませんでした。
また、HQ と社会生活の関係については、いくつか独自の調査結果が書かれていました。
例えば、入社直後の社員と入社2年目の社員でHQ を比べてみると、入社2年目の方が高いのだそうです。
これは1年間会社で訓練されたからではなく、HQ が低い人は入社1年以内に辞めてしまうことが多いため、このような結果になるそうです。
職種別に見ても、一般社員よりも管理職の方がHQ が高く、HQ が高い程、高度な職に就く可能性が高いという結果になっていました。
私生活でも、HQが高い人は、5年以内の離婚率が低く、うつ病になる確率も低いそうです。
東大合格者100人のアンケートでもピアノがトップ!?
そしてじつは、東大合格者100人のアンケートでも、なんとピアノを習っていた人が断トツトップ!
発言小町の「小さい時に習っておいて良かった習い事」のトピでもピアノが一位なんだそうです。
人間の一般的な器官(臓器)は、20歳頃までに完成されますが、人間にとって一番大切な脳は、早く成長する特徴があります。
8歳までに 95%が出来上がり、前頭前野の発達も、8歳でピークを迎えます。
そのため、成長段階の子供の頃に、訓練することが重要となります。
音楽教育も8歳までに始めた方がよく、絶対音感に関しては、8歳以降に始めた場合、身に付く可能性が 3% に落ちてしまうという話もありました。
私はピアノを始めて、30数年になります。
今現在の私が、澤口氏が述べているような優れた人間になっているのかと問われると・・そんな立派な人間どころか、普通の方よりかなり難ありな人間で、いつも周りの人たちに迷惑をかけているなぁ・・優しさに助けられているなぁ・・ありがたいなぁ・・と幸せを噛みしめつつ、毎日をなんとか生きている感じです。(笑)
でも幼少期からの成長過程の中で、ピアノという存在がすぐそばにあったことは、本当に幸運だったと思います。
澤口先生のお話を聞いて「・・ピアノ習っててよかったなぁ」と思いました。